クルクミンとコロナについて

ターメリックに含まれるクルクミンについて、COVID-19の入院患者の回復に関する研究が行われました。

軽度から中等度の入院患者41人を、標準治療のグループと標準治療に加えナノクルクミン40mgを2週間1日2回投与するグループの2つに分けて回復時間を調査したものです。結果はクルクミンのグループの方が、発熱・悪寒・咳・筋肉痛などの症状の改善が早く、リンパ球数が多く、心房酸素飽和度が高く、酸素補給と入院の期間も短かかったことがわかりました。

クルクミングループのほぼ半数は完全な症状の解消・回復をしていましたが、標準治療グループは15%のみ、また、2週間の追跡期間で標準治療グループの40%が経験していた感染の悪化を、クルクミングループでは誰も経験していませんでした。

ターメリックはアーユルヴェーダや中医学で何千年と伝統的に使われてきたハーブであり、また、1815年にその成分のクルクミンが発見されてからは多くの研究がなされてきた、伝統的実績と研究による実証の裏付けの両方がある優秀なハーブです。特に近年はそのガンにおける研究が盛んに行われています。

クルクミンは、NF-κB・インターロイキンなどの炎症誘発性サイトカインを阻害するなどの抗炎症作用があります。また、優れた抗酸化作用の他に、免疫調節作用、抗凝固作用、および抗ウイルス作用があります。この研究では特にクルクミンがウィルスによって誘発されるサイトカインストームの炎症反応を調節し、肺の炎症、線維症、浮腫を抑制できる可能性を示してます。

おそらく現状のパンデミックの中でのコントロールの難しさから、研究において信頼性の高いランダム化比較試験ではなく、対象も少ないオープンラベルの非ランダム化比較試験ではありましたが、今後の研究が楽しみな結果だったと思います。

ターメリックはスパイスとして食事や飲み物からも摂れますが、その吸収には脂が必要です。ギー・バター・油・ココナッツミルクと一緒に調理しましょう。また、ブラックペッパーもターメリックの吸収を高めてくれます。バターと一緒に炊きこんでターメリックライスにしたり、チキンに擦り込んでターメリックチキンにしたり、炎症性食材の牛乳の代わりにオーツミルクでゴールデンチャイにしたり、簡単に日常生活に取り入れられます!

ただし、ターメリックの吸収率は約15%ととても低いです。健康な方はスパイスや飲み物から日々少しずつで良いと思いますが、生活習慣病・既存の炎症・慢性炎症がある方は吸収率を上げた形の高品質のサプリメントが良いかもしれません。

今、コロナに負けないように免疫を高めるということに注目されていますが、免疫向上の為の栄養を摂るのは必要ではあるけれどもあくまで小手先の対応。

それよりも大切なことは、今の体の状態で免疫を下げる要因を減らすことです。そこがある限り、免疫向上の栄養素を摂っても焼け石に水。

慢性炎症とは、未病の状態で自覚の少ない症状でも現れます。

🔥 体の痛み、関節痛、筋肉痛
🔥 慢性的な疲労、不眠
🔥 うつ、不安症などの気分障害
🔥 便秘、下痢、ガスなどの消化器の問題
🔥 体重の増加、体重の低下、腹部の肥満、高めの血糖値
🔥 風邪のひきやすさ、感染のかかりやすさ
🔥 アトピーや乾癬などの皮膚の炎症
🔥 花粉症、鼻炎などのアレルギー症状
🔥 勃起不全
🔥 歯茎の問題
🔥 糖尿病・心疾患・リウマチなどの自己免疫疾患・婦人科木系疾患・生活習慣病

実はクルクミンはこれら慢性炎症に対して非常に優れた抗炎症効果があります。もしかしたら、今回の研究の結果もクルクミンのウィルスに対しての作用よりも、全身における抗炎症・抗酸化の作用が大きく貢献しているのかもしれません。この研究を読んだ時にまず一番に感じたのはその印象でした。

小手先のことに囚われるよりもまずは土台。日々の生活で蓄積された炎症・酸化ストレスの改善が全身の免疫向上にとても重要です。

<参考> Saber‐Moghaddam N et al. (2021) Oral nano‐curcumin formulation efficacy in management of mild to moderate hospitalized coronavirus disease‐19 patients: An open label nonrandomized clinical trial. Phytotherapy Research.